黒帯をとるまで
米澤 光優
私が大道塾に入ったのは2年生の時でした。学校の男友達から、からかわれて何も言えなかったことがくやしく、お父さんとお母さんに相談したところ「空手はどうだ」といわれて少し考えました。でも、弱かった自分、からかった友達に打ち勝つために「やる」と決心しました。
入った時、空道の中はにぎやかでした。私はその中に入っていけるのかと少し不安でもありました。でも、空道の人たちはとても優しく教えてくれました。少したって空道になれ練習もきつくなりはじめ、スパーリングもやらせてもらえるようになりました。その時みぞおちにあたってすごく痛くて泣いてしまいました。
それ以来、空道が嫌になりました。私は行きたくないとずっと空道に向かう車の中で泣いていました。でもお母さんが「やればいいことあるから。からかった人たちを見返すんでしょ」と言ってくれたので私は空道のけいこに行けるようになりました。
先生たちも精一杯のことをしてくれて、いろんなことを学ばせてもらいました。
それからたくさんの努力をし、茶色帯までのぼりつめ、とうとう黒帯の試験を受けないかと声がかかり、最初10人と戦うといわれ、びっくりしました。でも黒帯をとるにはこれぐらいはしないといけないと思い、私は「試験を受ける」といい、それからは前よりもきつい練習となり、行きたくないという日々もありました。練習では試験と同じように10人と戦うこともありました。
試験当日はすごく緊張しました。でも、一緒に試験を受ける仲間、親、先生のお陰で前に進めました。とうとう10人の相手と戦う事となりました。私はどきどきして頭が真っ白になりました。でも、先生からどこをあてれば有利か、こしを下げるということをおしえてもらい、私はその教えを思い出しながら戦いました。そしたら勝つことができ、黒帯が取れました。
いつも支えてくれたお父さんお母さん、大切なことを教えてくれた狐崎先生、若林先生、坂本先生そして一緒にがんばってきた仲間に感謝します。押忍
入門から黒帯を取るまで
米澤光優 父母 米澤恵三・弘子
入門のきっかけは、光優が小学校2年生に上がる時でした。妻と娘がいつものように一緒にお風呂に入っている時、娘が学校で男の子にからかわれている事を妻に打ち明け悩んでいる事を話してくれました。からかわれても自分は何も出来ずただ我慢するだけで悔しかったようです。
私と妻は娘を心身共に強くさせるためには何をしたら良いのか考え思いついたのが武道でした。そこで娘に「空手はどうか」と言ってみると「やりたい」と即答だったので、型と実戦するのとどちらが良いかと聞いてみると「パンチとキックで倒したい」と言いました。
私達は何か無いかと探していた所、空道が目に付き何箇所かある空道教室を見つけ最初に見学に伺ったのが大道塾でした。初めて間近で見る空道に私達3人は見入ってしまうほど気迫にあふれ子供たちみんなが一生懸命稽古に励んでいる姿に圧倒されました。狐崎先生から丁寧な説明をしていただき私達もこの道場なら良い環境で空道が出来ると思いました。他の道場も見学をする予定だったのですが娘がここの大道塾が良いと言ったので私達も文句なしに大道塾でお世話になる事を決めて門を叩きました。
最初はただ娘の心と体が強くなれたらと言う気持ちで通わせていましたが、練習を重ねていき大会にも出場するようになり、昇級試験の合否により級が上がり帯の色が変わる事によって娘は強くなり自信が持てるようになっていきました。いつの間にか目標は黒帯を取ることになっていました。
しかし黒帯を取る為にはエスカレーターのように簡単に上がれる様な甘い世界ではありません。日々の練習では先生方の厳しい指導の下、辛くて涙を流す時もあれば、練習の帰りには「もう、行きたくない」と言うときも多々ありました。3年生の年の東北大会が終わった辺りから娘のやる気が無くなっていることに私たちは感じ少し休息が必要な時期に来ているのかと練習を休ませる時もありました。狐崎先生に相談し「今、辞めてしまえば今後何をするにも中途半端で逃げてしまう」と言われ私達も心を鬼にして娘を説得、続ける覚悟をしました。
そして日々の練習を重ね、とうとう昇段試験の日がやってきました。試験を受けている姿に私達は歯を食いしばり涙をこらえながら見守り狐崎先生に「合格だ」と言われた瞬間、娘がこらえ切れず大泣きし私達も涙が溢れてきました。今迄やってきた事が報われたような気がしました。黒帯を締めた娘の姿は、たくましく成長し大人びた姿に見えました。
狐崎先生、若林先生、坂本先生、そして少年部の塾生の皆様、本当にありがとうございます。ここまで来れたのも皆様のお陰だと感謝しております。これからもご指導の程宜しくお願い致します。
狐崎支部長 談
正直、入門した当初は、長く続くかな。指導中も泣いてばかり、節目節目に、
本人のために厳しくも指導しました。周りにいた同じ女子部からの暖かい助言
もあったせいか、まずは、ここまで続けてきたことに評価してあげたい。
いよいよ黒帯挑戦。審査受験日は、緊張が走っており、少々顔がこわばってい
たようだけど、周りから叱咤激励が飛び交い、これが薬になりあとは本人の経
験が生きたものと思います。
少し、気持ちに甘えが目立つ美優、黒帯取ったのだから益々頑張っていこう。
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