「昇段試験」   山岸蔵人 盛岡市立太田東小学校 4年生

「僕は絶対合格するぞ」

そういう気持ちで昇段試験をうけました。

そのためには、練習を頑張らなければいけないと思い、家でも腹筋や、拳立てをやりました。お父さんやお母さんとスクワットをやったり、お父さんとミットやスパーリングも毎日やりました。

お父さんはいつも「これが最後の昇段試験だと思え。」と言っていました。ぼくは「もう後は無いんだ」という気持ちで、練習も本番も頑張りました。こんなに頑張ったことは初めてでした。

 いよいよ当日です。僕はお父さんに言われたことを心に入れ、先生たちに教えてもらったことを頭に入れて、これまでやってきたことを全部出し切って、本番、頑張りました。基本も、移動もしっかりやりました。

組み手やすもうのときは夢中でした。疲れてもお父さんの「これが最後だと思え」の言葉を思い出しながら、あきらめないでがんばりました。

 「合格」

と言われた時は、めちゃくちゃうれしかったです。先生やお父さんが言うように最後までがんばって良かったです。

 これから僕は黒帯をつけて練習や試合をします。黒帯らしく、皆の先輩としてこれからもがんばります。

 狐崎先生、本当にありがとうございました。

平成22530日 初段合格  於 大道塾仙台東北本部


「昇段試験を終えて」

このたび、黒帯獲得をかけて、昇段試験に臨みました。先生方の厳しいご指導の下、この4年間積み上げてきたものを振り返りながら練習に励みました。家では、毎晩のように筋力トレーニングもしました。息子の苦しさを少しでも軽減できるようにと、親子3人でスクワットをしたりもし、おかげで、私たち両親は翌日の筋肉痛に悩まされたこともありました。そして何より、太田道場での一般部の方々の胸を借りての猛特訓、大好きな空手仲間のお友達や、その親御さん達からの励ましの言葉…そのおかげで、こうして合格することができたと思っております。本当に感謝しております。

 昇段試験から帰ってきた息子に

「合格と言われた時、誰の顔が思いうかんだ?」

と聞いてみました。私たち両親とも「お父さん、お母さん」の返事を期待していましたが、「空手のお友達の顔」

と、屈託ない笑顔で答えました。自分の力だけでは勝ち取ることのできないものを、先生や、空手の仲間のおかげで勝ち取ることができた、ということを、息子ながらに感じてくれているな、と親としてうれしく思いました。

 幼稚園年長時、初めて道場に足を踏み入れた時のことを思い出します。厳しい練習風景を目の当たりにし、「怖がるかなぁ…」と不安を抱きましたが親の心配はよそに「やりたい」の一言。それから今日までの4年間、一度も「行きたくない」と言ったことがありません。とにかく、空手の仲間と一緒に居られるのがうれしいようで、その中での練習は、彼にとっては楽しい時間なのです。

 空手を通して、大好きな仲間に出会え、いろんなことを学び、経験できたと思います。小さい頃は負けても「悔しい」という感情がなく、ぼんやりしている息子でした。いつの間にか「負けたくない」「勝ちたい」という気持ちが持てるようになり、こんなに努力できる子だったんだと、正直驚いております。当日の朝は

「絶対黒帯とってくるからね」

という頼もしい言葉も聞かれ、成長を感じました。

 「努力すれば必ず実る。そしてそれが自信となり、次への挑戦へとつながる」そのことを、今回息子は体感することができたと思います。そして私たち両親も、改めて努力することの意味を息子に教えてもらいました。

 今後は黒帯に恥じない練習態度、試合が期待されることと思います。ここからが本当の試練だと覚悟しております。その試練を乗り越えられるよう、息子を応援していきたいと思います。今後もご指導、よろしくお願いたします。

                             山岸蔵人

                           父 山岸 誠